医科点数表 抜粋 第13部 病理診断 など病理関連

 2020年03月10日 最終更新(改訂途中)
 令和02年度,当科向けに適宜改変して表記しています(*で表記) 。また,不確実な部分があります。正しくは成書を参照してください
     別表第1(医科点数表),診療報酬改定速報(日本病理学会

通則
4 第1節又は第2節に掲げられていない病理診断であって特殊なものの費用は,第1節又は第2節に掲げられている病理診断のうちで最も近似する病理診断の各区分の所定点数により算定する。


第1節 病理標本作製料
N000 病理組織標本作製
 1 組織切片によるもの(1臓器につき)    860点
 2 セルブロック法によるもの(1部位につき) 860点

(1) 「1」の「組織切片によるもの」について、次に掲げるものは、各区分ごとに1臓器として算定する。
ア 気管支及び肺臓
イ 食道
ウ 胃及び十二指腸
エ 小腸
オ 盲腸
カ 上行結腸、横行結腸及び下行結腸
キ S状結腸
ク 直腸
ケ 子宮体部及び子宮頸部

(2) 「2」の「セルブロック法によるもの」について、同一又は近接した部位より同時に数検体を採取して標本作製を行った場合であっても、1回として算定する。

(3)「2」の「セルブロック法によるもの」は、悪性中皮腫を疑う患者又は組織切片を検体とした病理組織標本作製が実施困難な肺悪性腫瘍、胃癌、大腸癌、卵巣癌若しくは悪性リンパ腫を疑う患者に対して、穿刺吸引等により採取した検体を用いてセルブロック法により標本作製した場合に算定する。なお、肺悪性腫瘍胃癌、大腸癌、卵巣癌若しくは悪性リンパ腫を疑う患者に対して実施した場合には、 組織切片を検体とした病理組織標本作製が実施困難である医学的な理由を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載すること

(4) 病理組織標本作製において、1臓器又は1部位から多数のブロック、標本等を作製した場合であっても、1臓器又は1部位の標本作製として算定する。

(5) 病理組織標本作製において、悪性腫瘍がある臓器又はその疑いがある臓器から多数のブロックを作製し、又は連続切片標本を作製した場合であっても、所定点数のみ算定する。

(6) 当該標本作製において、ヘリコバクター・ピロリ感染診断を目的に行う場合の保険診療上の取扱いについては、「ヘリコバクター・ピロリ感染の診断及び治療に関する取扱いについて」(平成12年10月31日保険発第180号)に即して行うこと。

N001 電子顕微鏡病理組織標本作製(1臓器につき)2,000点
(1) 電子顕微鏡病理組織標本作製は、腎組織内分泌臓器の機能性腫瘍(甲状腺腫を除く。)、異所性ホルモン産生腫瘍軟部組織悪性腫瘍、ゴーシェ病等の脂質蓄積症多糖体蓄積症等に対する生検及び心筋症に対する心筋生検の場合において、電子顕微鏡による病理診断のための病理組織標本を作製した場合に算定できる。

(2) 電子顕微鏡病理組織標本作製、区分番号「N000」病理組織標本作製、区 分番号「N002」免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製のうち、いずれを算定した場合であっても、他の2つの項目を合わせて算定することができる。

N002 免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製
  1 エストロジェンレセプター  720点
  2 プロジェステロンレセプター 690点 (*下記の注1により実質180点*)
  3 HER2タンパク      690点
  4 EGFRタンパク      690点 (*オーダー依頼はほぼない*)
  5 CCR4タンパク      10,000点 (*ほぼフローサイトメトリーでのみ算定*)
  6 ALK融合タンパク      2,700点(*オンコマインオーダー時は算定できない)
  7 CD30          400点
  8 その他(1臓器につき)   400点

注1 1及び2の病理組織標本作製を同一(月曜日)に実施した場合は,180点を主たる病理組織標本作製の所定点数に加算する
注2 8について,確定診断のために4種類以上の抗体を用いた免疫染色が必要な患者(*下記の(8)を参照)に対して,標本作製を実施した場合には,1,200点を所定点数に加算する。

(1) 免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製は、病理組織標本を作製するにあたり免疫染色を行った場合に、方法(蛍光抗体法又は酵素抗体法)又は試薬の種類にかかわらず、1臓器につき1回のみ算定する。

(2) 免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製、区分番号「N000」病理組織 標本作製又は区分番号「N001」電子顕微鏡病理組織標本作製のうち、いずれを算定した場合であっても、他の2つの項目を合わせて算定することができる。

(3) 「1」のエストロジェンレセプターの免疫染色と「2」のプロジェステロンレセプターの免疫染色を同一月に実施した場合は、いずれかの主たる病理組織標本作製の所定点数及び注に規定する加算のみを算定する。

(4) 「3」のHER2タンパクは、半定量法又はEIA法(酵素免疫測定法)による病理標本作製を行った場合に限り算定する。

(5) 「5」CCR4タンパク及び区分番号「D006-10」CCR4タンパク(フローサイトメトリー法)を同一の目的で実施した場合は、原則として主たるもののみ算定する。ただし、医学的な必要性がある場合には、併せて実施した場合であっても、いずれの点数も算定できる。なお、この場合においては、 診療報酬明細書の摘要欄にその理由及び医学的必要性を記載すること。

(6) 「6」のALK融合タンパクは、非小細胞肺癌患者に対して、ALK阻害剤 の投与の適応を判断することを目的として、ブリッジ試薬を用いた免疫組織染色法により病理標本作製を行った場合に、当該薬剤の投与方針の決定までの間に1回を限度として算定する。

(7) 「7」のCD30は、HQリンカーを用いた免疫組織化学染色法により、悪性リンパ腫の診断補助を目的に実施した場合に算定する。

(8) 「注2」に規定する「確定診断のために4種類以上の抗体を用いた免疫染色 が必要な患者」とは、
原発不明癌、
原発性脳腫瘍、

悪性リンパ腫
悪性中皮腫
肺悪性腫瘍(腺癌、扁平上皮癌)
消化管間質腫瘍(GIST)
慢性腎炎
内分泌腫瘍
軟部腫瘍
皮膚の血管炎
水疱症(天疱瘡、類天疱瘡等)
悪性黒色腫
筋ジストロフィー又は筋炎
が疑われる患者を指す。これらの疾患が疑われる患者であっても3種類以下の抗体で免疫染色を行った場合は、当該加算は算定できない。

(9,*未確認)肺 悪性腫瘍(腺癌、扁平上皮癌)が疑われる患者に対して「注2」の加算を算定する場合は、腫瘍が未分化であった場合等HE染色では腺癌又は扁平上皮癌の診断 が困難な患者に限り算定することとし、その医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載すること。なお、既に区分番号「D004-2」でEGFR遺伝 子、ROS1融合遺伝子、BRAF遺伝子及びALK融合遺伝子検査を実施している場合には、当該加算は算定できない。

(10)セルブロック法による病理組織標本に対する免疫染色については、悪性中皮腫を疑う患者又は組織切片を検体とした病理組織標本作製が実施困難な肺悪性腫瘍胃癌、大腸癌、卵巣癌若しくは悪性リンパ腫を 疑う患者に対して実施した場合に算定する。なお、肺悪性腫瘍胃癌、大腸癌、卵巣癌若しくは悪性リンパ腫を疑う患者に対して実施した場合には、組織切片を検体とした病理組織標本作製が実施 困難である医学的な理由を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。


N003 術中迅速病理組織標本作製(1手術につき)1,990点
術中迅速病理組織標本作製は、手術の途中において迅速凍結切片等による標本作製及び鏡検を完了した場合において、1手術につき1回算定する。 なお、摘出した臓器について、術後に再確認のため精密な病理組織標本作製を行った場合は、区分番号「N000」病理組織標本作製の所定点数を別に算定する。

N003-2 迅速細胞診

  1 手術中の場合(1手術につき) 450点
  2 検査中の場合(1検査につき) 450点

迅速細胞診は、手術又は気管支鏡検査(超音波気管支鏡下穿刺吸引生検法 (*EBUS-TBNA*)の実施時に限る。又は内視鏡検査(膵癌又は胃粘膜下腫瘍が疑われる患者に対して超音波内視鏡下穿刺吸引生検法の実施時に限る。)の途中において腹水及び胸水等の体腔液又はリンパ節穿刺液を検体として標本作製及び鏡検を完了した場合において、1手術又は1検査につき1回算定する。

N004 細胞診(1部位につき)
  1 婦人科材料等によるもの 150点
  2 穿刺吸引細胞診、体腔洗浄等によるもの 190点

注1
1について、固定保存液に回収した検体から標本を作製して、診断を行った場合には、婦人科材料等液状化検体細胞診加算として、36点を所定点数に加算する。

注2
2について、過去に穿刺し又は採取し、固定保存液に回収した検体から標本を作製して、診断を行った場合には、液状化検体細胞診加算として、85点を所定点数に加算する。

(1)腟脂膏(*vaginal smear*) 顕微鏡標本作製、胃液、腹腔穿刺液等の癌細胞標本作製及び眼科プロヴァツェク小体 (*Halberstädter-Prowazek bodies; paranuclear cytoplasmic inclusions found in the conjunctival epithelial cells of the patients in the acute phase of trachoma*) 標本作製並びに天疱瘡又はヘルぺスウイルス感染症における Tzanck 細胞の標本作製は、細胞診により算定する。

(2)同一又は近接した部位より同時に数検体を採取して標本作製を行った場合であっても、1回として算定する。

(3)「2」の「穿刺吸引細胞診、体腔洗浄等」とは、喀痰細胞診、気管支洗浄細胞診、体腔液細胞診、体腔洗浄細胞診、体腔臓器擦過細胞診及び髄液細胞診等を指す。

(4)「注1」の婦人科材料等液状化検体細胞診加算は、採取と同時に行った場合に算定できる。なお、過去に穿刺し又は採取し、固定保存液に回収した検体から標本を作製し診断を行った場合には算定できない。

(5)「注2」の液状化検体細胞診加算は、採取と同時に作製された標本に基づいた診断の結果、再検が必要と判断され、固定保存液に回収した検体から再度標本を作製し、診断を行った場合に限り算定できる。採取と同時に行った場合は算定できない。

N005 HER2遺伝子標本作製

  1 単独の場合 2,700点
  2 区分番号N002に掲げる免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製の3による 病理標本作製を併せて行った場合 3,050点

通知
(1)HER2遺伝子標本作製は、抗HER2ヒト化モノクローナル抗体抗悪性腫 瘍剤の投与の適応を判断することを目的として、FISH法、SISH法又はCISH法(*京大病院ではDISH*)により遺伝子増幅標本作製を行った場合に、当該抗悪性腫瘍剤の投与方針の決定までの間に1回を限度として算定する。

(2)本標本作製と区分番号「N002」免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製の「3」を同一の目的で実施した場合は、本区分の「2」により算定する。

(3)乳癌の腫瘍細胞を検体とし、シークエンサーシステムを用いて、抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的としてHER2遺伝子検査を実施する場合にあっては、本区分の「1」単独の場合の所定点数を準用して、患者1人につき1回に限り算定する。

(4)シークエンサーシステムを用いて、抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的として特定の遺伝子の変異の評価を行う際に、包括的なゲノムプロファイルを 併せて取得している場合には、包括的なゲノムプロファイルの結果ではなく、目的とする遺伝子変異の結果についてのみ患者に提供すること。また、その場合に おいては、目的以外の遺伝子の変異にかかる検査結果については患者の治療方針の決定等には用いないこと。


N005-2 ALK融合遺伝子標本作製 6,520点
(1) ALK融合遺伝子標本作製は、ALK阻害剤の投与の適応を判断することを 目的として、FISH法により遺伝子標本作製を行った場合に、当該薬剤の投与方針の決定までの間に1回を限度として算定する。

N005-3 PD-L1タンパク免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製 2,700点
PD-L1タンパク免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製は、抗PD-1抗体抗悪性腫瘍剤又は抗PD-L1抗体抗悪性腫瘍剤の投与の適応を判断すること を目的として、免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製を行った場合に、当該抗悪性腫瘍剤の投与方針の決定までの間に1回を限度として算定する。


第2節 病理診断料
N006病理診断料
  1 組織診断料 450点
  2 細胞診断料 200点


1 1については、病理診断を専ら担当する医師が勤務する病院又は病理診断を専ら担当する常勤の医師が勤務する診療所である保険医療機関において、区分番号 N000に掲げる病理組織標本作製、区分番号N001に掲げる電子顕微鏡病理組織標本作製、区分番号N002に掲げる免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本 作製若しくは区分番号N003に掲げる術中迅速病理組織標本作製により作製された組織標本(区分番号N000に掲げる病理組織標本作製又は区分番号 N002に掲げる免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製により作製された組織標本のデジタル病理画像を含む。) に基づく診断を行った場合又は当該保険医療機関以外の保険医療機関で作製された組織標本(当該保険医療機関以外の保険医療機関で区分番号N000に掲げる 病理組織標本作製又は区分番号N002に掲げる免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製により作製された組織標本のデジタル病理画像を含む。)に基づく診 断を行った場合に、これらの診断の別又は回数にかかわらず、月1回に限り算定する。

(*保険医療機関間連携における病理診断料の算定では送付又は送信側の保険医療機関において、別紙様式 44 又はこれに準じた様式に診療情報等の必要事項を記載し、受取又は受信側の保険医療機関に交付するものであることが必要*)

2 2については、病理診断を専ら担当する医師が勤務する病院又は病理診断を専ら担当する常勤の医師が勤務する診療所である保険医療機関において、区分番号 N003-2に掲げる迅速細胞診若しくは区分番号N004に掲げる細胞診の2により作製された標本に基づく診断を行った場合又は当該保険医療機関以外の保 険医療機関で作製された標本に基づく診断を行った場合に、これらの診断の別又は回数にかかわらず、月1回に限り算定する。

3 当該保険医療機関以外の保険医療機関で作製された標本に基づき診断を行った場合は、区分番号N000からN004までに掲げる病理標本作製料は、別に算定できない。

4 病理診断管理に関する別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、病理診断を専ら担当す る常勤の医師が病理診断を行い、その結果を文書により報告した場合には、当該基準に係る区分に従い、次に掲げる点数を所定点数に加算する。
イ 病理診断管理加算1
(1) 組織診断を行った場合 120点
(2) 細胞診断を行った場合 60点

ロ 病理診断管理加算2(*京大病院)
(1) 組織診断を行った場合 320点
(2) 細胞診断を行った場合 160点

5 1については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、悪性腫瘍に係る手術の検体か ら区分番号N000に掲げる病理組織標本作製の1又は区分番号N002に掲げる免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製により作製 された組織標本に基づく診断を行った場合は、悪性腫瘍病理組織標本加算として、150点を所定点数に加算する。

(1)当該保険医療機関以外に勤務する病理診断を行う医師が、当該保険医療機関に出向いて病理診断を行った場合等、当該保険医療機関における勤務の実態がない場合においては、病理診断料は算定できない。

(2)当該保険医療機関において、当該保険医療機関以外の医療機関(衛生検査所等を含む。)で作製した病理標本につき診断を行った場合には、月1回に限り 所定点数を算定する。なお、患者が当該傷病につき当該保険医療機関を受診していない場合においては、療養の給付の対象とならない。

(3)病理診断料が含まれない入院料を算定する病棟に入院中の患者に対して、病理診断料を算定する場合は、同一月内に当該患者が病理診断料が含まれる入院料を算定する病棟に転棟した場合であっても、当該病理診断料を算定することができる。

(4)病理診断管理加算1又は2の届出を行った保険医療機関において、病理診断を専ら担当する常勤の医師のうち当該保険医療機関において勤務する1名(病 理診断管理加算2を算定する場合にあっては2名)を除いた病理診断を専ら担当する常勤の医師については、当該保険医療機関において常態として週3日以上、 かつ、週24時間以上の勤務を行っている場合、当該勤務時間以外の所定労働時間については、自宅等の当該保険医療機関以外の場所で、デジタル病理画像の観 察及び送受信を行うにつき十分な装置・機器を用いた上で観察を行い、その結果を文書により当該患者の診療を担当する医師に報告した場合も病理診断料及び病 理診断管理加算1又は2を算定できる。なお、デジタル画像に基づく病理診断を行うに当たっては、関係学会による指針を参考とすること。また、病院の管理者 が当該医師の勤務状況を適切に把握していること。

(5)「注5」の悪性腫瘍病理組織標本加算については、原発性悪性腫瘍に対して「K007の1」、「K031」、「K053」、「K162」、 「K394」、 「K394-2」、「K439」、「K442」、「K476」、「K484-2」、「K514」、「K514-2」、「K529」、「K529-2」、 「K529-3」、「K653の2」、「K653の3」、「K655の2」、「K655-2の2」、「K655-4の2」、「K655-5の2」、「K657の2」、 「K657-2の2」、「K675」、「K677」、「K677-2」、「K695」、「K695-2」、「K700-2」、「K700-3」、 「K702」、「K702-2」、「K703」、「K703-2」、「K704」、「K721-4」、「K740」、「K740-2」、「K773」から 「K773-3」、「K773-5」、「K803」から「K803-3」まで、「K833」、「K843」から「K843-4」、「K879」、「K879- 2」又は「K889」に掲げる手術を実施し、当該手術の検体から作製された病理組織標本に基づき病理診断を行った場合に算定する。

N007病理判断料 150点
 (*京大病院は適用なし*)

1 行われた病理標本作製の種類又は回数にかかわらず、月1回に限り算定する。
2 区分番号N006に掲げる病理診断料を算定した場合には、算定しない。
通知
病理判断料が含まれない入院料を算定する病棟に入院中の患者に対して、病理判断料を算定した場合は、同一月内に当該患者が病理判断料が含まれる入院料を算定する病棟に転棟した場合であっても、当該病理判断料を算定することができる。
(*診療録に病理学的検査の結果に基づく病理診断の要点を記載する必要がある*)

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第3部 検査 京大病理部関連抜粋

D004-2 悪性腫瘍組織検査(尿・糞便等検査)
  1 悪性腫瘍遺伝子検査
 イ 処理が容易なもの
(1) 医薬品の適応判定の補助等に用いるもの
  (*EGFR検査など)2,500点 (*京大病理部実施中。他に,c-kit, MSI, RAS, ROS)
(2) その他のもの (EWS-FLI1, TLS-CHOP, SYT-SSX)2,100点
ロ 処理が複雑なもの 5,000点
  (BRAF遺伝子検査)

注 患者から1回に採取した組織等を用いて同一がん種に対してイに掲げる検査を実施した場合は、所定点数にかかわらず、検査の項目数に応じて次に掲げる点数により算定する。
  イ 2項目    4,000点
  ロ 3項目以上  6,000点
  ハ 3項目以上  8,000点

(*下記の(6)にあるように,オンコマインTM Dx Target Test マルチ CDx システム は,イの2項目 (EGFR, ROS) 4,000点 と BRAF の 5,000点 と 免疫抗体法 ALK 2,700点 の合算 = 合計で 11,700点 になる。このため,ALK免疫染色は算定できなくなる。

(1)「1」の悪性腫瘍遺伝子検査は、固形腫瘍の腫瘍細胞を検体とし、PCR法、SSCP法、RFLP法,シークエンサーシステム等を用いて、悪性腫瘍の詳細な診断及び治療法の選 択を目的として悪性腫瘍患者本人に対して行った、以下の遺伝子検査について、患者1人につき1回に限り算定する。ただし、肺癌におけるEGFR遺伝子検査については、再発や増悪により、2次的遺伝子変異等が疑われ、再度治療法を選択する必要がある場合にも算定できる。
ア肺癌におけるEGFR遺伝子検査、ROS1融合遺伝子検査又はK-ras遺伝子検査
イ膵癌におけるK-ras遺伝子検査
ウ悪性骨軟部組織腫瘍におけるEWS-Fli1遺伝子検査、TLS-CHOP遺伝子検査又はSYT-SSX遺伝子検査
エ消化管間葉系腫瘍におけるc-kit遺伝子検査
オ家族性非ポリポージス大腸癌におけるマイクロサテライト不安定性検査
カ悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節生検に係る遺伝子検査又はBRAF遺伝子検査
キ大腸癌におけるEGFR遺伝子検査、K-ras遺伝子検査又はRAS遺伝子検査

(2)「1」の悪性腫瘍遺伝子検査を算定するに当たっては、(1)のアからキまでの中から該当するものを診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(3)「1」の悪性腫瘍遺伝子検査、区分番号「D006-2」造血器腫瘍遺伝子検査又は区分番号「D006-6」免疫関連遺伝子再構成のうちいずれかを同一月中に併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

(4)「2」の抗悪性腫瘍剤感受性検査は、手術等によって採取された消化器癌、頭頸部癌、乳癌、肺癌、癌性胸膜・腹膜炎、子宮頸癌、子宮体癌又は卵巣癌の 組織を検体とし、HDRA法又はCD-DST法を用いて、抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的として行った場合に限り、患者1人につき1回に限り算定す る。

(5)当該検査の対象となる抗悪性腫瘍剤は、細胞毒性を有する薬剤に限る。また、当該検査に係る薬剤の費用は、所定点数に含まれる。

(6)非小細胞肺癌の腫瘍細胞を検体とし、シークエンサーシステムを用いて、抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的 としてEGFR遺伝子検査、ROS1融合遺伝子検査、BRAF遺伝子検査及びALK融合遺伝子検査を併せて実施する場合は、本区分の「注」の「イ」2項 目、区分番号「D006-4」遺伝学的検査の「2」処理が複雑なもの及び区分番号「N002」免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製の「6」ALK融合 タンパクの所定点数を合算した点数を準用して、患者1人につき1回に限り算定できる。
ア 本検査とは別に実施された肺癌におけるEGFR遺伝子検査、ROS1融合遺伝子検査、BRAF遺伝子検査、ALK融合タンパク検査及びALK融合遺伝 子検査にかかる費用は別に算定できない。ただし、EGFR遺伝子検査については、再発や増悪により、2次的遺伝子変異が疑われ、再度治療法を選択する必要 がある場合には算定できる。
イ 本検査の実施に際し、区分番号「D006-4」遺伝学的検査の「2」処理が複雑なものの所定点数を準用して算定する場合は、当該区分の「注」に定める施設基準の規定は適用しない。

(7)非小細胞肺癌の腫瘍細胞を検体とし、シークエンサーシステムを用いて、抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的としてEGFR遺伝子検査とALK融合 遺伝子検査を併せて実施する場合は、本区分の「イ」EGFR遺伝子検査(リアルタイムPCR法)の所定点数と区分番号「N002」免疫染色(免疫抗体法) 病理組織標本作製の「6」ALK融合タンパクの所定点数を合算した点数を準用して、患者1人につき1回に限り算定できる。 なお、本検査とは別に実施され た肺癌におけるEGFR遺伝子検査、ALK融合タンパク検査及びALK融合遺伝子検査にかかる費用は別に算定できない。ただし、EGFR遺伝子検査につい ては、再発や増悪により、2次的遺伝子変異が疑われ、再度治療法を選択する必要がある場合には算定できる。

(8)シークエンサーシステムを用いて、抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的として特定の遺伝子の変異の評価を行う際に、包括的なゲノムプロファイルを 併せて取得している場合には、包括的なゲノムプロファイルの結果ではなく、目的とする遺伝子変異の結果についてのみ患者に提供すること。また、その場合に おいては、目的以外の遺伝子の変異にかかる検査結果については患者の治療方針の決定等には用いないこと。


D006-12 EGFR遺伝子検査(血 漿 ) 2,100点
(*組織・細胞診ではないが,病理部で実施中*)
注 同一の患者につき同一月において検査を2回以上実施した場合における2回目以降の当該検査の費用は、所定点数の100分の90に相当する点数により算定する。

(1)EGFR遺伝子検査(血漿)は、血漿を用いてリアルタイムPCR法で測定した場合に算定できる。

(2)肺癌の詳細な診断及び治療法を選択する場合、又は肺癌の再発や増悪により、EGFR遺伝子変異の2次的遺伝子変異等が疑われ、再度治療法を選択する 場合に、患者1人につきそれぞれの場合に1回に限り算定できる。ただし、本検査の実施は、医学的な理由により、肺癌の組織を検体として、区分番号 「D004-2」悪性腫瘍組織検査の「1」悪性腫瘍遺伝子検査の「イ」EGFR遺伝子検査(リアルタイムPCR法)又は「ロ」EGFR遺伝子検査(リアル タイムPCR法以外)を行うことが困難な場合に限る。

(3)EGFR遺伝子検査(血漿)を実施した場合には、肺癌の組織を検体とした検査が実施困難である医学的な理由を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(4)EGFR遺伝子検査(血漿)と、肺癌の組織を検体とした区分番号「D004-2」悪性腫瘍組織検査の「1」悪性腫瘍遺伝子検査の「イ」EGFR遺伝 子検査(リアルタイムPCR法)又は「ロ」EGFR遺伝子検査(リアルタイムPCR法以外)を同一月中に併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

D006-15 膀胱がん関連遺伝子検査(*ウロビジョン) 1,597点

D006-18 BRCA1/2遺伝子検査
    1. 腫瘍細胞を検体とするもの 20,200点

D006-19 がんゲノムプロファイリング検査 56,00点
 1 検体提出時 8,000点
 2 結果説明時 48,000点
(*FoundationOne(r) CDx がんゲノムプロファイル,OncoGuide TM NCCオンコパネルシステム)

(1)固形腫瘍の腫瘍細胞を検体とし、100以上のがん関連遺伝子の変異等を検出するがんゲノムプロファイリング検査に用いる医療機器等として薬事承認又 は認証を得ているシークエンサーシステムを用いて、包括的なゲノムプロファイルの取得を行う場合は、本区分の「3」処理が極めて複雑なものの所定点数を準 用して、患者1人につき1回に限り算定できる。
ア 本検査は、標準治療がない固形がん患者又は局所進行若しくは転移が認められ標準治療が終了となった固形がん患者(終了が見込まれる者を含む)であっ て、関連学会の化学療法に関するガイドライン等に基づき、全身状態及び臓器機能等から、本検査施行後に化学療法の適応となる可能性が高いと主治医が判断し た者に対して実施する場合に限り算定できる。
イ 本検査は、「がんゲノム医療中核拠点病院等の整備について」(平成29年12月25日健発1225第3号)に基づき、がんゲノム医療中核拠点病院、がんゲノム医療連携病院及びそれに準ずる医療機関として指定を受けている保険医療機関で実施すること。
ウ 当該医療機関は、がんゲノムプロファイルの解析により得られた遺伝子のシークエンスデータ(FASTQ又はBAM)、解析データ(VCF又はXML) 及び臨床情報等を、患者の同意に基づき、医療機関又は検査会社等からがんゲノム情報管理センター(C-CAT)に提出すること。この際、患者に対して書面 を用いて説明し、同意の有無について診療録及び(キ)に規定する管理簿等に記載すること。また、当該データの二次利用に関しても同様に説明及び管理簿等の 記載を行うこと。なお、これらの手続に当たっては、個人情報の保護に係る諸法令を遵守すること。
エ C-CATへのデータ提出又はデータの二次利用に係る同意が得られない場合であっても、本検査を実施し、算定することは可能であるが、同意が得られなかった旨を診療録及び管理簿等に記載すること。
オ 関連団体が定める「インフォームド・コンセント手順書」を遵守し、患者からの同意取得について適切な手続を確保すること。
カ 臨床情報等の提出に当たっては、関連団体が定める「がんゲノム情報レポジトリー臨床情報収集項目一覧表」に則って提出すること。
キ 当該医療機関は、次に掲げる事項を記載した管理簿等を作成し、本検査を実施した全ての患者について管理簿等により管理すること。
・検査を実施した者の氏名、ID

・検体を衛生検査所等に発送した年月日
・衛生検査所等からの解析結果の受け取りの有無、及び受け取った年月日
・がんゲノム医療中核拠点病院等でエキスパートパネルが実施された年月日

・エキスパートパネルから検査結果を受け取った年月日

・検査結果を患者に説明した年月日・検査結果を説明した後、C-CAT等からの情報に基づいた、臨床試験又は治験等の新たな治療方針の説明の有無、及び説明した年月日
・データ提出及びデータの二次利用に係る患者の同意の有無

・C-CATに対してシークエンスデータ、解析データ及び臨床情報等を提出した年月日

ク 当該医療機関は、患者からの求めに応じて、当該患者のシークエンスデータ(FASTQ又はBAM)及び解析データ(VCF又はXML)等を患者に提供できる体制を整備すること。
ケ 本検査の実施に当たっては、シークエンサーシステムを用いた検査の品質・精度の確保のために必要な措置を講ずることとし、シークエンサーシステムを用 いた検査に係る適切な第三者認定を受けた保険医療機関で実施すること。なお、本検査を衛生検査所に委託する場合は、同様の第三者認定を受けた衛生検査所に のみ委託すること。
コ 抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的として、特定の遺伝子の変異の評価を行った際に併せて取得している包括的なゲノムプロファイルの結果を標準治療の終了後に治療方針の決定の補助に用いる場合には、当該点数は算定できない。
サ 本検査の実施に際し「D006-4」遺伝学的検査の点数を準用して算定する場合は、「注」に定める施設基準の規定は適用しない。

(2)包括的なゲノムプロファイルの結果について、当該検査結果を医学的に解釈するための多職種(がん薬物療法に関する専門的な知識及び技能を有する医 師、遺伝医学に関する専門的な知識及び技能を有する医師、遺伝カウンセリング技術を有する者等)による検討会(エキスパートパネル)での検討を経た上で患 者に提供し、治療方針等について文書を用いて患者に説明する場合には、本区分の「3」処理が極めて複雑なものの所定点数4回分、区分番号「D004-2」 悪性腫瘍組織検査の「1」悪性腫瘍遺伝子検査の「注」の「ロ」3項目以上及び区分番号「M001-4」粒子線治療(一連につき)の「注3」の粒子線治療医 学管理加算の所定点数を合算したものを準用して、患者1人につき1回に限り算定できる。なお、患者への説明内容について、診療録に記載すること。
ア エキスパートパネルの実施に係る費用は準用した点数に含まれる。
なお、エキスパートパネルの実施に際しては、以下の点を遵守すること。
1 エキスパートパネルは、「がんゲノム医療中核拠点病院等の整備について」(平成29年12月25日健発1225第3号)に基づき、がんゲノム医療中核拠点病院及びそれに準ずる医療機関として指定を受けている保険医療機関で実施すること。

2エキスパートパネルの構成員については、以下の要件を満たしていること。
(イ) 構成員の中に、がん薬物療法に関する専門的な知識及び技能を有する診療領域の異なる常勤の医師が、複数名含まれていること。
(ロ) 構成員の中に、遺伝医学に関する専門的な知識及び技能を有する医師が、1名以上含まれていること。
(ハ) 構成員の中に、遺伝医学に関する専門的な遺伝カウンセリング技術を有する者が、1名以上含まれていること。
(ニ) 構成員の中に、病理学に関する専門的な知識及び技能を有する常勤の医師が、複数名含まれていること。
(ホ) 構成員の中に、分子遺伝学及びがんゲノム医療に関する十分な知識を有する専門家が、1名以上含まれていること。
(へ) 構成員の中に、次世代シークエンサーを用いた遺伝子解析等に必要なバイオインフォマティクスに関する十分な知識を有する専門家が、1名以上含まれていること。
(ト) エキスパートパネルにおいて検討を行う対象患者の主治医又は当該主治医に代わる医師は、エキスパートパネルに参加すること。
3 エキスパートパネルの構成員については、2の(イ)から(ト)に該当する者がいずれも1名以上出席すること。ただし、やむを得ない場合は、リアルタイムでの画像を介したコミュニケーションが可能な機器を用いて参加することで出席とみなすことができる。
4 C-CATへのデータの提出の同意を得た患者について検討する際には、C-CATが作成した当該患者に係る調査結果を用いてエキスパートパネルを実施すること。
イ 抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的として、特定の遺伝子の変異の評価を行った際に併せて取得している包括的なゲノムプロファイルの結果を標準治療 の終了後にエキスパートパネルでの検討を経た上で患者に提供し、治療方針等について文書を用いて患者に説明する場合にも算定できる。なお、この場合には (9)のアからケまでを満たすこと。
ウ 当該説明に際し、「D006-4」遺伝学的検査の点数を準用して算定する場合は「注」に定める施設基準の規定は適用しない。
エ 当該説明に際し、「M001-4」粒子線治療(一連につき)の「注3」の粒子線治療医学管理加算を準用して算定する場合は当該区分の「注3」に定める施設基準の規定は適用しない。

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施設基準等

第84の3 保険医療機関間の連携による病理診断の施設基準
(1)標本の送付側
離島等に所在する保険医療機関その他の保険医療機関であって、病理標本の作製につき十分な体制が整備されていること。

(2)標本等の受取又は受信側(病理標本等の観察及び評価が行われる保険医療機関)においては、次に掲げる基準を全て満たしていること。
ア 病理診断管理加算又は口腔病理診断管理加算に係る届出を行っている施設であること。

イ 特定機能病院、臨床研修指定病院、へき地医療拠点病院、基本診療料の施設基準等別表第六の二に規定する地域に所在する保険医療機関又は病理診断科を標榜する医療機関であること。

ウ イに掲げる医療機関のうち、特定機能病院、臨床研修指定病院、へき地医療拠点病院及び基本診療料の施設基準等別表第六の二に規定する地域に所在する保 険医療機関以外の医療機関であって、病理診断科を標榜する医療機関における病理診断に当たっては、同一の病理組織標本等について、病理診断を専ら担当する 複数の常勤の医師又は常勤の歯科医師が観察を行い、診断を行う体制が整備されていること。なお、診断に当たる医師又は歯科医師のうち少なくとも1名以上 は、病理診断の経験を7年以上有していること。

エ 病理標本が送付される場合においては、受取側の保険医療機関に送付される病理標本について、別添2の様式79の2に定める計算式により算出した数値が100分の80以下であること。

オ デジタル病理画像の観察及び評価を行う場合は、デジタル病理画像による病理診断の施設基準に係る届出を行っていること。

第84の4 保険医療機関間の連携によるデジタル病理画像による術中迅速病理組織標本作製
(*別添2の様式80を使用*)
(1) 標本の送付側
離島等に所在する保険医療機関その他の保険医療機関であって、病理標本の作製につき十分な体制が整備された病院であること。
(2) 標本の受取側
当該保険気管内に病理診断を担当する常勤の医師又は歯科医師が配置されており,病理診断を行うにつき十分な体制が整備された医療機関であること。

第84の5 保険医療機関間の連携によるデジタル病理画像による迅速細胞診

第84の6 デジタル病理画像による病理診断の施設基準
(*別添2の様式80の2を使用*)
(1)病理診断管理加算又は口腔病理診断管理加算に係る届出を行っている施設であること。
(2)デジタル病理画像の管理を行うにつき十分な体制を整備していること。

第84の7 病理診断管理加算
1 病理診断管理加算1に関する施設基準
(1) 病理診断科を表簿している保健医療機関であること。 
(2) 病理診断を専ら担当する常勤の医師(専ら病理診断を担当した経験を5年以上有するものに限る。)が1名以上配置されていること。なお、病理診断を専ら担当する医師とは、勤務時間の大部分において病理標本の作製又は病理診断に携わっている者をいう。
(3) 病理標本作製及び病理診断の精度管理を行うにつき十分な体制が整備されていること。
(4) 年間の剖検数・生検数が十分にあること、剖検室等の設備や必要な機器等を備えていること等を満たしていることが望ましい。

2 病理診断管理加算2に関する施設基準
(1) 病理診断科を標榜している保険医療機関であること。
(2) 病理診断を専ら担当する常勤の医師(専ら病理診断を担当した経験を5年以上有するものに限る。)が1名以上及び病理診断を専ら担当する常勤の医師(専ら病理診断を担当した経験を7年以上有するものに限る。)が1名以上配置されていること。なお、病理診断を専ら担当する医師とは、勤務時間の大部分において病理標本の作製又は病理診断に携わっている者をいう。
(3) 病理標本作製及び病理診断の精度管理を行うにつき十分な体制が整備されている病院であること。
(4) 年間の剖検数・生検数が十分にあること、剖検室等の設備や必要な機器等を備えていること等を満たしていること。
(5) 臨床医及び病理医が参加し、個別の剖検例について病理学的見地から検討を行うための会合 (CPC:ClinicopathologicalConference) を少なくとも年2回以上行っていること。
(6) 同一の病理組織標本について、病理診断を専ら担当する複数の常勤の医師が鏡検し、診断を行う体制が整備されていること。なお、診断に当たる医師のうち少なくとも1名以上は専ら病理診断を担当した経験を5年以上有すること。

第84の8 悪性腫瘍病理組織標本加算に関する施設基準
(*別添2の様式80の2の使用*)
(1) 当該保険医療機関内に病理診断を専ら担当する医師が一名以上配置されていること。
(2) 病理診断管理を行うにつき十分な体制が整備された保険医療機関であること。

口腔病理診断管理加算の施設基準
 略

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(一般的事項)
(1) 病理診断の費用には、病理標本作製を行う医師、看護師、臨床検査技師、衛生検査技師及び病理診断・判断を行う医師の人件費、試薬、デッキグラス(*=カバーガラスのこと,スライドガラスより高価*)、試験管等の材料費、機器の減価償却費、管理費等の費用が含まれる(*標本作製料と病理診断料すべてを含めた説明*)

(2) 病理標本作製に当たって使用される試薬は、原則として医薬品として承認されたものであることを要する(*免疫染色に用いる試薬は医薬品として未承認のものが多い*)

(3) 病理標本を撮影した画像を電子媒体に保存した場合、保存に要した電子媒体の費用は所定点数に含まれる(*肉眼写真・顕微鏡写真を撮影しても加算は0点*)

(4) 第1節に掲げられていない病理標本作製であって簡単な病理標本作製の費用は、 基本診療料に含まれ、別に算定できない

(5) 第1節に掲げる病理標本作製料の項に掲げられていない病理標本作製のうち簡単な病理標本作製の病理標本作製料は算定できないが、特殊な病理標本作製に ついては、その都度当局に内議し、最も近似する病理標本作製として通知されたものの算定方法及び注(特に定めるものを除く。)を準用して、準用された病理 標本作製料に係る病理診断・判断料と併せて算定する(*EBER ISH とか...?*)

(6) 保険医療機関間の連携により病理診断を行った場合は、標本若しく は検体(以下「標本等」という。)の送付側又はデジタル病理画像の送信側の保険医療機関に おいて区分番号「N006」病理診断料を算定できる。なお、その際には、送付 側又は送信側の保険医療機関において、別紙様式 44 又はこれに準じた様式に診療情報等の必要事項を記載し、受取側又は受信側の保険医療機関に交付するもので あること。更に、病理標本の作製を衛生検査所に委託する場合には、衛生検査所にも当該事項を同様に交付すること。また、「N006」の「注4」に規定する 病理診断管理加算1又は2については、標本若しくは検体の受取側又はデジタル病理画像の受信側の保険医療機関において、病理診断を専ら担当する常勤の医師 が病理診断を行い、標本等の送付側又は送信側の保険医療機関にその結果を文書により報告した場合に当該基準に係る区分に従い、送付側又は送信側の保険医療 機関において所定点数に加算する。標本等の受取側又は受信側の保険医療機関における診断等に係る費用は、標本等の送付側又は送信側、標本等の受取側又は受信側の保険医療機関間における相互の合議に委ねるものとする。
(*別紙様式44は「医科点数表の解釈」1261頁に掲載されている)

(7) 保険医療機関間のデジタル病理画像の送受信及び受信側の保険医療 機関における当該デジタル病理画像の観察による術中迅速病理組織標本作製を行った場合は、送信側の保険医療機関において区分番号「N003」術中迅速病理 組織標本作製及び区分番号「N006」病理診断料の「1」を算定できる。また、「N006」の「注4」に規定する病理診断管理加算1又は2については、受 信側の保険医療機関が、当該加算の施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関であり、病理診断を専ら担当する常勤の医師 が病理診断を行い、送信側の保険医療機関にその結果を報告した場合に当該基準に係る区分に従い、所定点数に加算する。受信側の保険医療機関における診断等に係る費用は、受信側、送信側の保険医療機関間における相互の合議に委ねるものとする。

(8) 保険医療機関間のデジタル病理画像の送受信及び受信側の保険医療機関における当該デジタル病理画像の観察による迅速細胞診を行った場合は、送信側の保 険医療機関において区分番号「N003-2」迅速細胞診及び区分番号「N006」病理診断料の「2」を算定できる。また、「N006」の「注4」に規定す る病理診断管理加算1又は2については、受信側の保険医療機関が、当該加算の施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関 であり、病理診断を専ら担当する常勤の医師が病理診断を行い、送信側の保険医療機関にその結果を報告した場合に当該基準に係る区分に従い、所定点数に加算 する。受信側の保険医療機関における診断等に係る費用は、受信側、送信側の保険医療機関間における相互の合議に委ねるものとする(*京大病理部はデジタル画像での細胞診は未実施*)

(9) デジタル病理画像に基づく病理診断については、デジタル病理画像の作成、観察及び送受信を行うにつき十分な装置・機器を用いた上で観察及び診断を行った場合に算定できる。なお、デジタル病理画像に基づく病理診断を行うに当たっては、関係学会(*日本病理学会及び日本デジタルパソロジー学会を指す*)による指針を参考とすること

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受託関連リンク
・京都大学病理診断受託規程
http://www.kyoto-u.ac.jp/uni_int/kitei/reiki_honbun/w002RG00000326.html
 京都大学における病理診断に関する規定(大学本部の制定)。

・京都大学病理解剖受託規定
http://www.kyoto-u.ac.jp/uni_int/kitei/reiki_honbun/w002RG00000327.html
 京都大学における病理診断に関する規定(大学本部の制定)。