医薬品の命名法 Nomenclature of drugs

2021年02月11日開始 2024年01月16日最終更新

ンスリン 糖尿病の薬

insulin = insula (島)+ -in(有機化合物を示す接尾辞)
ランゲルハンス島β細胞が産生するペプチドホルモン.
作用
インスリンが細胞膜上のインスリン受容体に結合すると,細胞表面に GLUT-4 が発現し,グルコースがカリウムと共に細胞内に取り込まれ,血中グルコース濃度が低下する.
糖尿病
血糖値が高いと,タンパク質のリジン残基やアルギニン残基に糖化 glycation が誘導され終末糖化産物 Advanced Glycation End-products (AGEs) が形成される.AGEs は血管のタンパク質を変性させるとともに,受容体 RAGE を介した NF-κBを活性化を引き起こして慢性炎症に関与する.

インターェロン 肝炎の治療など(昔は)

interferon = interfere(妨害)+ -on(物質や分子の単位を示す接尾辞)
ウイルス増殖を阻止するもの.
抗ウイルス薬の進歩によりインターフェロンを治療薬として使用することは少なくなった.

インターロイキン (IL)

interleukin = inter(間) + leukocyte(白血球)+ -in(有機化合物を示す接尾辞)
  leukocyte = leuk-(明るい,を示す言葉)+ -cyte(細胞)
インターロイキン (IL-1〜IL-36) はヘルパーT細胞から分泌され,細胞間のコミュニケーションに機能している.
インターロイキンの類似体や誘導体が治療薬として使用されることもあるが,医薬品としてはインターロイキンの阻害薬の方が広く使用されている.


シクロスリン(サイクロスポリン)

cyclosporin = cyclo-(環)+ spora(胞子)+ -in (有機化合物を示す接尾辞)
真菌(胞子を作る)から発見された環状ポリペプチド抗生物質(1970年).
免疫抑制剤として用いられる.


タクリムス

tacrolimus = t + acrol + im·u·s
Tsukubaensis 筑波山の土壌細菌 Streptomyces tsukubaensis
mACROLide マクロライド—大環状ラクトンを有する有機化合物
IMmUnoSuppressant 免疫抑制剤
藤沢薬品工業が発見した免疫抑制剤(1984年)。ヒ トに投与されたのは1989年3月(ピッツバーグ大学、肝臓移植)。日本では1990年6月から1991年10月にかけて行われた京都大学での生体肝移植 の臨床試験を基に1991年12月に新薬製造申請が行われた。開発コードネームの FK506 の FK は、Fujisawa Kaihatsu No. を示している。
商品名の「プログラフ」は、グラフトをプロテクトする、に因んでいる。

エベロリムス(エベロライマス)

everolimus = eve (固有の名,ユニークネーム,意味不明) + macROLide + IMmUnoSuppressant
エベロリムスは天然化合物であるシロリムス sirolimus(=ラパマイシン rapamycin)の誘導体.
エベロリムスとタクロリムスは作用機序が異なるため併用することができる.
エベロリムスは経皮的冠動脈形成術における薬剤溶出性ステントに用いられている.
悪性腫瘍の治療におけるエベロリムスの標的はセリン/スレオニンキナーゼである mechanistic target of rapamycin (エムトア, mTOR) である.

リツキシマブ(リクスィマブ)

rituximab = ri + tu + xi·m·a·b
RI (ユニークネーム)
TUmor(腫瘍)
CHImeric Monoclonal AntiBody
Bリンパ腫が発現するCD20に対するキメラモノクローナル抗体(1997年).
ch の綴りはギリシャ文字の χ(カイ)に相当し,逆に英語では ch の代用に x(エックス)が使われることがある.
-umab 完全ヒト抗体 -u- Adalimumab, Ipilimumab, Panitumumab
-zumab ヒト化抗体/混合 -zu- Bevacizumab, Trastuzumab
-ximab キメラ抗体(ヒト85%未満) -xi- Cetuximab, Rituximab
-omab マウス抗体 Blinatumomab (anti-CD19/CD3 bispecific Ab without constant regions, BiTE = bispecific T-cell engager)

オシメルチニブ(オゥサマータニブ)

osimertinib = osimer (ユニークネーム?) + t·in·ib (Tyrosine kINase inhIBitor) かな...
「〜チニブ」はチロシンキナーゼ阻害剤.オシメルチニブはEGFR 遺伝子変異陽性の再発非小細胞肺癌に用いる薬剤の一つ.

トラチニブ

trametinib = tra (ユニークネーム?) + me·tinib (MitogEn-acTivated protein kINase kinase inhIBitor) かな...
「〜メチニブ」は MEK (MAPKK) 阻害剤.
MEKの活性化
A/B/C-RAFにより2つのセリン残基がリン酸化されると,MEK は活性化される.MEK 自体に遺伝子変異が起きることは稀である.MEK1 はスレオニン残基とチロシン残基の両方のリン酸化する 二重特異性キナーゼ dual specificity kinase である.
ERK1の
活性化
基質である ERK (MAPK) MEK によってスレオニン残基とチロシン残基が同時にリン酸化されると活性化し,細胞質から核内に移行して,転写因子と相互作用する.
ERK1の
不活性化
ERK1 (MAPK1) は二重特異性ホスファターゼ dual specificity phosphatase (DUSP) により負に調節される.
おまけ DUSP22
DUSP22-IRF4 locus (6p25.3) の転座を持つ未分化大細胞リンパ腫  DUSP22 ALCL は PD-L1 発現を欠いている。予後良好。
DUSP (二重特異性ホスファターゼ22) は 自治医大ではプロ不全が発見された。MAPK などを基質とする脱リン酸化酵素。

チサゲンレクルユーセル

tisagenlecleucel = tisa + gen + lec + leu + cel
TISA チサ(ユニークネーム)
transfer of GENetic material 遺伝子物質導入
seLECtion and enrichment manipulation 選択と濃縮操作
LEUkocyte 白血球
CELullar therapy 細胞治療
CAR-T療法に用いるヒト体細胞加工製品の一つ.
チサゲンレクルユーセルは,
患者のT細胞を体外に取り出し,
[CD19を認識する single-chain variable fragment (scFv)] + [CD8-α hinge] + [4-1BB] + [CD3-ζ]
で構成される
キメラ抗原受容体 (CAR) を導入したもの.
CAR を発現したTリンパ球 (CAR-T) が,リンパ腫細胞を攻撃する.


cf. 糖尿病治療薬
エキセナチド Exenatide
exen(din) + -a- + tide (peptide)
合成した exendin-4, インクレチン類似物質でGLP-1より親和性高い

シタグリプチン Sitagliptin
sita- (ユニークネーム?) + gli- (antihyperglycemic) + (pe)pt(tidase) + in(hibitor)
-gliptin = generic names of dipeptidyl peptidase-4 inhibitor antidiabetic drugs DPP-4 阻害薬

カナグリフロジン Canagliflozin
cana- (ユニークネーム?) + gliflozin ("sodium-glucose cotransporter inhibitor") よくわからない
Sodium-glucose cotransporter-2 inhibitors (SGLT2i) ナトリウムーグルコース共輸送体2阻害剤










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è
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ê



ê
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